原価の秘密 3
73年の第一次石油危機の際にみられたような便乗値上げがまた問題になってくるのです。
このように大企業の製品の価格が高く吊り上げられるのは、なによりも第一に市場にたいする独占的支配力をもっているからです。
・・・いま上位3社の累積生産集中度(1974年)をとってみると、輸送用機械器具が7422パーセント、鉄鋼67・5パーセント、電気機械器呉56・8パーセントと、主要産業での集中の高さがうかがえます。
・・・こうした場合、それぞれの業界での市場占拠率がトヅプの企業、鉄鋼の新日鉄であるとか、軽電の松下、ビールのキリンなどがプライス・リーダーとなって、価格決定のリーダーシップをとるのが普通です。
プライス・リーダーが値上げをすると、他の企業もこれに同調して値上げを行ない、価格はコストよりはるかに高位に吊り上げられるのです。
たとえば、75年6月19日の衆院の連合審査会で、鋳物用銑鉄の価格の下方硬直性が指摘され、鉄鋼各社による同一時期、同一幅の値上げがカルテル行為によるものとして問題になりました。
その際の個別商品の原価公表要求にたいして、植木国務大臣は、商品別の「原価は競争の最大の要素であり企業秘密」だから公表させるわけにはいかないと答えています。