その人の心が病気をつくっている 2
それからずいぶんたって、ある日、その男性がひょっこり顔を出したのです。
「また、風邪ですか?」
「いえ、前にひいた風邪がやっと治りました」
風邪が治らないと、何度も病院に来ることになりますが、治ったからと報告に来る人も珍しい。
・・・そう思いながらその男性のカルテを取り出して医師はびっくりしました。
前に診察したとき、治る時期として書き込んであった日付がその日だったのです。
そのとき、医師は「やっぱり」とあることを納得しました。
それは「その人の心が病気を'つくっている」ということです。
たとえば専門のリウマチ患者さんに、よく次のようなことをいう人がいます。
自分の手を差し出して、「先生、この指が気になって、気になって仕方がないんです」見ると少しもおかしくない。
「なんで気になるんですか。どこも変わったところはありませんよ」
しかし1年もすると、その指が本当に曲がってくるのです。
これはなぜでしょうか?
本人にだけは事前にどこが曲がるかわかるのでしょうか・・・。
いえ、そうではありません。
ひょっとすると、その人の「この指が曲がる」というイメージが、指を曲げていくのではないか・・・。
医師はそんなことをずっと考え続けていたときだったので、風邪だけはひかないおばあさん、夏風邪を決まった時期にひく男性に出会って「ああ、そうか」と納得できたのだそうです。
病気には心のはたらきであるイメージというものが、ひじょうに大きく作用しているのです。